2013年2月26日火曜日

[CEDEC 2011]日本人は,遠近法で風景を見ていなかった。9月8日の基調講演「情報化社会,インターネット

。  この作品は「日本にはパースペクティブ(遠近法)とは違う論理構造が培われていて,rmt,それが日本画を産んだ」という仮設をもとに,コンピュータ内部にいったん空間を作り,それを一定のロジックを介して日本画のように表示したものだ。  「日本画には,遠近法とは違った長所がたくさんある」と語る猪子氏は,その例として「日本画には特定のフォーカス(焦点)がなく,鑑賞者の場所が特定されない」という特徴を挙げた。例えば,映画であれば映画館の真ん中が一番良い席で,そこから離れるほど悪い席になっていく。しかし「フォーカスを持たない日本画であれば,鑑賞者の場所に左右されないので,鑑賞者は自由に歩き回れる」と語る。  また,映像の投影面が平面でなくても構わない。百年海図巻は絵が途中で90度曲がっているが,現場で見るとほとんど気にならない。これは,屏風に描かれた日本画を想像すると分かりやすいかもしれない。  もちろん短所もあって,客観的/物理的な大きさといった情報は,日本画では失われてしまうという。 花と屍 続いて「花と屍」は2008年の作品だ。これもまた,3Dモデルを日本画ロジックで再構築した作品である。  美術作品では,通常,作品空間内に想定される視点は一つだ。しかし「花と屍」では,CGで作られた空間内に,12個ほどの視点が設定されているという。  ルーブル美術館で行った展示では,それぞれの視点を,実際の空間に置いたディスプレイの位置に対応させていた。12個に切り取った視点を実際の空間に再構築したというわけだ。  一般に,一つの空間に12個も視点を置くと,ディスプレイに同じようなものが映りがちだ。12人のプレイヤーがFPSをプレイした動画を同時に再生すると,もちろん違って見える絵も多いが,そのうちいくつかはどうしても似たような画面になってしまうだろう。  だが日本画ロジックで空間を解析すると,ドラゴンクエスト10 RMT,12個の視点から見える「絵」は,それぞれまったく独立したものになる。かくして,鑑賞者は「物語空間を歩く」ことができるようになるのだと猪子氏は語った。 生命は生命の力で生きている こちらは最新の作品で,2011年のもの。「生きる」という文字を空間内に立体的に書いた,一種の「書」だ。生きるという書から,だんだん生命が生まれていく様子がアニメーションで描かれる。  この作品もまた,3D空間を日本画のように射影しているので,静止画にすると日本画のように平面的に見える
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